個人ブログなんだしたまにはプライベートな事でも。
僕はかれこれ10年近く小田原から新幹線通勤をしています。
いままで通算で数十回くらい「マジで小田原から通ってるの?」とか「何でそんなことしてるの?大変じゃない?」と聞かれてたと思いますが、実は色々と経緯があったり、それなりに合理的な理由がありまして。
で、やってみると中々お勧めできるライフスタイルなので、ちょっと紹介したいと思います。
■新幹線通勤のきっかけ
まず、前提として僕は小田原生まれの小田原育ちで、実家も小田原にあります。
とはいえ、社会人1年目から東京で働いており、当初は都心通勤圏内の賃貸住まいで(川崎とか横浜とか)、その当時は小田原に戻ってくるなんてまずないんだろうなと思ってました。
小田原に住むことになるきっかけは、前々職時代2007年~2008年の1年ちょいのシンガポール転勤。
転勤が決まったタイミングで当時住んでいた綱島の賃貸を解約して、実家に荷物を送り1カ月程度実家から恵比寿まで新幹線通勤してました。
んで、実体験としてこれが意外と通えちゃうということがわかる。
シンガポールから戻ってきたときも同様に、次に住む家が決まるまで小田原の実家から新幹線通勤してました。
その後、しばらくは都立大に住んでました。
実はこのとき雇われ社長をやってまして、賃料の半分を会社が出してくれることもあり、それなりにお高いところに住んでました。
んが、ちょっとその会社で色々とあり、会社を整理し、別会社の平社員になってしまったのです。
この時点で、そのお高い賃料が全額自分負担となり、情けない話やっていけなくなり、再び実家から新幹線通勤することになったのです。
確か2009年くらいからだったかな。
その時点から現在にいたるまでずっと新幹線通勤生活です。
そして「ほぼ座れる」というアドバンテージが気に入いりつつ、終電が早いというディスアドバンテージも30歳から歳を重ねて行き、飲みに行ったりの優先度が自分の中でどんどん下がっていくことで、あまり気にならなくなっていきます。
■家を建てる決断
よく「サーフィンとかやるから小田原住んでるんですか?」と聞かれるんですが、現在はそれもありますけど実は因果関係が逆で。
あまりにも上記のような事を言われるので「サーフィンとかやってないと小田原に住んでる格好がつかないかなぁ」みたいな感じで始めたのでした笑
そんなこんなで割とおじさんになってからサーフィンをはじめ、こりゃ楽しいぞとハマり、住む場所はサーフィンに通えるところというのが自分の中で結構な優先事項になったのです。
そして、子供も二人目が出来てそろそろ家でも建てないとなぁと考えたときに、小田原に家買っちゃおうとなったのでした。
職種を変えるとか再び海外に住むとか家を売るとかよっぽどの事がなければ、リタイアまでこの生活が続くことになります。
■小田原から新幹線通勤ってどうなの?
定量的なとこでいうと、都心vs新幹線通勤の主な論点はお金と時間なのかなと。
住宅の費用面は多くの場合とんとんかな、というのが正直なところです。
例えば、渋谷が職場だとしてオフィスまでドアドアで1時間くらいの3LDKの住宅を買うと、神奈川側だと5,000万くらいかかると思うんですけど、小田原だと駅から徒歩圏で3,500万くらいで買えると思います。
体感で1,500万くらい安い。小田原駅から離れるもっと安い(2,500万の建売とかある)んですが、あんまり離れると今度は新幹線通勤に支障が出るのでこれくらい。
新幹線通勤定期は月に約7.3万円。で、多くの会社で特急料金分は自己負担だと思うんで、そうなると月に3.5万円くらい、年間42万、35年で14,700,000円なのでまぁとんとんです。
ただ、仮に5万円上限で出るよ、だったら不足分で月2.5万円くらい、年間30万円、35年で10,500,000円、これだとだいぶお得。
そして全額負担だと、そっくり1,500万お得!なので勤め先によるかな。
通勤時間は間違いなく増えます。
ただ、通勤ストレスという意味で言うとこれもとんとんです。
通勤時間はというと、僕がだいたい1時間30分。5,000万円圏から30分は増えてる。
費用とんとんで、通勤時間伸びてダメじゃん!って思うかもですが、新幹線はたいてい座れるので通勤のストレスとってことで言うとむしろ減ってます。
僕は小田原-品川間の30分、往復1時間を読書にあててます。
と、ここまでが目に見えるお金と時間。
でも実際に住んでみると目に見えないお金と時間の変化があります。
■見えないメリット
人にもよるんだけど、終電が早いのでまぁ飲みにいかなくなりますw
最初は「終電早いんで・・・」と断るケースが増え、それが続くといつしかあまり誘われなくなりますw
じゃぁそれがマイナスかというと、そんなことはなくて。
ドライな言い方をすると人付き合いが強制的に整理されちゃう訳です。
意味が薄かったり、さして楽しくない飲みにだらだら行かない。
その分時間と金は浮くので、逆説的に以前より時間も金銭も余裕が出た気がします。
■物価が安いは多少ある
衣食住のうち衣については今の時代、どの地域に住んでても変わらない。ユニクロ着る人は着るしブランドが欲しい人は着るし。ネットで買えるし。
住は前述の通り交通費と相殺という感じ。
食に関しては、多分土地代が安いからだと思うけど若干都心のスーパーとかより安いと思います。
あと、細かいところでどこか車で出かけた時、公園だったり商業施設の駐車場が無料である事が多いです。
■他、細かい良いところ
湘南や伊豆、箱根や御殿場とかが近いので海遊び山遊びが好きな人には良いです(箱根とか熱海くらいだったらうちから車で30分とかで行ける)。もちろん小田原自体も海も山もあります。
サーフィン、SUP、キャンプ、ハイキング、トレラン、ジョギング、釣り、ツーリング、ドライブ、ロードバイクとかこの辺りの趣味をやりながら都心で働くような人にとっては近隣地域へのアクセスの良さも含めて関東でも屈指の好立地だと思います。
僕は朝弱いんであんまりやらないですけど、サーフィン行ってから出勤なんかも可能です。
ちなみにジョギングコースとしては小田原中心地はかなりお勧めです。
僕の場合小田原城から早川漁港をまわるのをコースにしてますが、景色的に飽きない!
(おすすめのコース)
あと、これは自分だけかも知れないけど、帰りの新幹線乗った瞬間にかなりオフモードになるというか、オンオフの切替面ではかなり良いです。
小田原に居る間、IQが10位下がってる気がするしw
また、新幹線通勤の隠れた良いところに「車両にトイレがある」というのがあります。
僕はよく朝の通勤中にお腹痛くなっちゃうんですが(バイオリズム的にその時間にもよおす)、途中下車せずにトイレにいけるのは大変心強いです。
いいことばっかり書いてもあれなので、逆にデメリットも書きます。
■デメリット
都心に家族で用事があったときのダメージは凄いです。
僕以外は全員定期持ってない訳なので、いちいち1万円とか交通費がかかるわけですよ。
まぁ、代わりに車で行けばいいし、自然と車移動が増えるんですが、逆に言うと車の運転があんまり好きじゃない人は地方都市は生活しずらいですよね。
(僕は車好きでもあるので、運転は苦にならないタイプです)
また、家族で海外旅行となると羽田や成田(成田は特に)に車で行くんですが、運転があるから帰りの飛行機でお酒飲めないのと、フライトのあとさらに車の運転ってのは結構しんどいものがあります。
あと、買い物は日常生活に必要なものは揃いますが、銀座で売ってるような服が買えるかというと勿論買えませんw
自分自身の買い物は仕事帰りに行けちゃうんで困らないんですけど、このまえ奥さんが「たまには銀座とかで買い物したい」と要望があり行ったら、交通費だけでちょっといいランチできちゃうくらいすっ飛びました。
そんな訳でAmazonやZOZOTWONの利用率が高まります。逆に普段からAmazonとかZOZOでしか買い物しないよって人はその面でのデメリットはないですけど。
転職時に地域に縛りが出るのもデメリットです。
北緯は東京の中央線より下半分、東西はと新宿以東・隅田川以西に限定されます。
幸い、僕の業界は渋谷・六本木・新宿あたりに集中してるんでこの心配はあんまりないですが、転職するとき本気でエイチーム(品川駅直結)とかバンナム(田町)いいなぁとかそういう気持ち的な引力は作用しますw
まぁこれも多かれ少なかれ住宅購入時に発生するリスクですけど。
■その他、魚が美味いは微妙かも(諸説ありw)
小田原には漁港があるのでお魚が毎日水揚げされてきます。じゃぁ当然さかな美味いんでしょって思いますよね?
これは小田原関係なく、港町あるあるというか僕の持論なんですが、港町だからって魚美味いって理屈にあんまあってないと思うんですよ。
東京から水揚げされて消費者の口に入るまでの時間と、港町で水揚げされて消費者の口に入る時間と、流通が整いまくった現代においてほぼ変わらないと思うんですよね。。。
(そもそも、寿司とかだとネタによっては少し寝かせたりするし、さばいてから口に入るまでの時間が早けりゃ良いってもんでもない)
で、飲食店に関してはより一層なんですが、競争原理が働く東京の飲食店と、地方の飲食店とどっちがうまいか。
土地代が乗らない分安くて美味しい店もあるんだけど、漁港近辺は変に観光地プライスだったりするんで意外とコスパ悪かったり。
食の面では東京が日本だけでなく世界的にも最強なので、ここは張り合えない(小田原民すまん笑)。
量が取れない魚は地産地消してしまうので、都心のスーパーでみないような魚(ホウボウとかメジナとかあぶらぼうずとか)は売ってたりはします。
(たまにこんなのが魚屋で売ってる)
■まとめ
なんか、良いんだか悪いんだかわからない書きっぷりになっちゃいましたが、実際に10年やってみてどうかで言うと、僕的には断然良いライフスタイルだと思ってます。
今後、在宅勤務とかVR会議みたいな物が増えていくことは規定路線だと思うし、そうなると遠距離であることのディスアドバンテージはどんどん減っていくのかなと。
あと、実際に小田原に来てみると感じるんですけど、東京と比べてなんとも時間の流れがゆったりしている感じがします。(人々が時間にルーズとかじゃなく雰囲気)
イケダハヤトじゃないけど「まだ東京で消耗しているの?」って感じですかね。