2017年8月15日火曜日

いつからだろうアドネットワークに心ときめかなくなったのは

いや〜全然更新してなかった笑

やっぱ、ちゃんとした事を書こうとしすぎるとハードルが上がって億劫になりますね。
ということで、もうちょいライトなこと書きます。

今回はアドネットワークという広告手法について最近個人的に思ってる事(※本当ただの個人の感想レベルです)。
僕、アドネットワークにときめかないのです。



「広告を出稿するからメディアプランちょうだい」と言って代理店に言うと必ず入ってくるメニューってあるじゃないですか。

Facebook、Twitter。
うん。すげーわかる。わかるわかる。
実際に使われているSNSだもんね。

Unity Ad、AppLovin。
うん。これもわかる。
アプリ内で動画広告、ユーザの体験として悪くないよね。

で、◯◯と◯◯(代表的なアドネットワーク)。
うーん。わかるよ、わかるんだけど、、、、なんか心がときめかないんだよなぁ。。。

実際に提案に入ってくるということは、CPIで見合い、ROASで見合うからだってことはわかってます。意味がないとかは1mmも思ってません。
ただ、広告出す側としても広告見る側としても、なんとも面白みにかけると思いませんか?僕はぶっちゃけ思ってます。

だってアド「ネットワーク」なのだから、出る場所は様々でホワイトリストだったりブラックリストだったりで管理はするけど、どの場所どのユーザに見られてるかって究極一貫性ないじゃないですか。

なんというか、電柱とかに貼ってある街頭広告にイメージが近いんですよね。
ターゲットが通りそうな場所に配置はする、見られ方も工夫はする、イメージを毀損しそうな場所には貼らないなどの措置はする、するんだけど、電柱の広告にそんなに思い入れなんて持てないってのが本音なんですよね。

もう、運用の振り返りでもCPIとCVとROASだけ報告受けて「うん、まぁそのままいい感じに運用しといてよ」という感じ。

電柱に貼ってある広告に意味はあるし、アドネットワークの場合はもっと直接的に効果がわかるからやっている。

ただ、最近その効果についても若干疑わしいなとも思っていて。

なんか、ユーザとしてまとめサイトとかのアドネットワークの広告見てると呉クリック誘発するやつばっかりじゃないですか。
で、アトリビューション期間が長かったりすると、本来オーガニックのものがアドネットワークの成果になってるだけなんじゃないの?とか。(ノンインセCPIとかも全く同じことが言えるが、これも同様にときめか無い広告である)

しっかりした運用してるところだったら、そういうの除外しているのもわかるんだけど、なんかもう基本的に防戦一方ですよね。


どうやって広告をユーザに受け入れてもらうか、どうやってエンゲージさせるか、みたいな事を考えるのってすごい楽しいじゃないですか。
マーケターの醍醐味ですよね。攻めてる感じがする。
こういうものが攻めだとすると、さっきのアドネットワークの運用ってひたすら守りといいますか。
なんか切なくなってくるんですよね。

切ないといえば、例えばFacebook広告だと出すものによるけど、ゲームだとCTR1%とかですよね。100人に1人がクリックしてる。一方、これがアドネットワークだとCTR0.1%とかじゃないですか。1,000人に1人しかクリックしていない。
いやぁ切ないなぁ。切ないぞこれ。

今回は特にまとめる気もさらさらないんですが、ちょっとまとめると、

・アドネットワークは当面無くならないし、意味もある。
・だけど、切ない広告なのだ。

・・・と勝手に僕は思っているという話でした。

2017年4月10日月曜日

リリース前後は超重要(後編)

一ヶ月間が空いてしまった・・・
ってことで前回記事の続きです。

前回、ユーザの分類軸と、それらユーザ主に関わってくる時間軸でわけるため、イノベーター理論で表現してみました。

その、超重要なリリース前後に関わってくる層はイノベーターとアーリーアダプターということになります。

全体の人数としては少ないですが、この層の取り込みは極めて重要。何故か?

長期運用しているタイトルをデータマイニングしてみると気がつくのですが、リリースして半年、一年経っているタイトルでも売上の多くをリリースした直後から始めているユーザに支えられていたりします。

また、この層が書くストアのレビューだったり、SNS上での投稿であったり、リアルなくちこみだったりが、アーリーマジョリティ以降への架け橋となる訳です。

情報感度が高い彼らは話題作であれば、まずは飛びつき(ダウンロードし)、そのあとも時間とお金をかけて取り組むべきゲームなのか見極める(課金する)くらいまでやります。
リリース最初期がARPUが高い所以です。

リリース時にバグや運営のミスなどで、この層にそっぽを向かれたらどうなるか?
一度、インストール・課金までしてみてNOをたたきつけた人に戻ってもらうのは新規獲得よりも難しいことはリテンション広告などをやってる方ならば痛感してるはずです。

つまり、この層を取り込み損ねるとリカバリーが極めて難しいというか、むしろ場合によっては取り返しがつかないのではないかと考えてるわけです。

開発期間が延びるたび、リリースが遅れるたびにPL上で毎月数千万円積み上がっていくので中々しびれを切らしてしまうこともあるでしょうが、後の経済損失を考えるとそうすべきではないことは自明です。

ぐっと我慢し、慎重に丁寧にリリースとプロモーション、マーケティングを行ってく必要があります。

次回は、具体的にリリース前後にどんなことをやればいいのか、一つの例を提示できればと思ってます。では。

2017年3月10日金曜日

リリース前後は超重要(前編)

以前、プロモーションは代理店に丸投げ!?なんて内容を書きました。

マーケティングの中でもプロモーション領域はある程度アウトソースが可能、というか人のリソースと事業インパクトを考えて最適化していくとそうせざるを得ない、というような意味合いでした。

ただ、プロモーションも含めてアウトソースが中々できないタイミングがどのタイトルでも存在します。
それはリリース前後のプロモーション及びマーケティングです。

ティザーサイトの準備、βテストの実施、パブリックリレーションなどなど、集客以外もやることが多いですし、集客においても事前登録やらそれに伴うSNS拡散施策など、以降とは違う動きをしなければならないので、あんまり代理店にお任せって訳にはいきません。

マーケターが一番大変な時期であり、かつ一番楽しい時期でもあります。

また、このタイミングをミスると結構取り返しが効かないんだろうなとも思ってます(もしミスった場合、再浮上させるには膨大な金がかかる)。
もちろん根本的には物が良くないことにはどうにもならんというのが大前提ではありますが。

ではなんでそんなにリリース前後がそんなに大事なのか?
(今回は話が飛んでうまくまとまらない予感がすることをあらかじめ言っておきます)

この後つらつらと書いていきますが、その前にゲームのマーケティングをユーザの質軸と、それらユーザ主に関わってくる時間軸で分類するため、をイノベーター理論で定義してみたいと思います(ほら飛んだ)。


【イノベーター】
クローズドβテスト参加者。
ゲームに対するアドバイスまでくれるありがたい人。
場合によってはSocialGameInfoとか見ている、というかむしろ業界人ってことも。
時間軸的にはCBTあたり。


【アーリーアダプター】
コアなゲーマー。
事前予約サービスなどを活用しており、期待できそうな新作はとりあえず試してみる。その後ゲームを続けるか見極めるための「見極め課金」をしたりする。
時間軸では事前予約あたり。


【アーリーマジョリティー】
自身の周りのゲーム詳しい人の直接的な勧め、またはSNSのタイムラインによるざわつきによりゲームに参加してくる層。
ITリテラシーは比較的高めなのでデジタル広告でもリーチできる。
時間軸的にはローンチからCM前あたり。


【レイトマジョリティ】
「みんながやってる」「TVでよく見る」という状態になって初めて試してみる層。
LINEは使うがFacebookは使わないような層なのでマスプロモーションでないと中々リーチできない。
時間軸的にはCM放送以降。



【ラガード】
世の中ごとになってないと取り込むのが難しい層。
取り込めるのはポケモンGOやツムツムのようなゲーム位か。殆どのゲームタイトルでは狙って取りに行く層でもない。
時間軸的にはCMが新規獲得ではなくリテンション目的で行われるあたり。


 

便宜上こんな感じで定義しましたが、この定義で言うとリリース前後のマーケティングはイノベーターとアーリアダプターに対するアプローチということが出来ます。

ゲームがキャズムを超えるためには、まずはこの両者をしっかり押さえてマジョリティを取りに行く必要があるのですが、長くなったので以降は後編にまわします。

2017年2月24日金曜日

TVCMの勘所

TVCMについての基礎用語を前回の記事に書きました。
CMについて用語やら何やら全く知らないって人は読んでみてください(単なる用語解説ですので、知ってる人はスルーでOK)。

もはや見ない日はないってくらいゲームのプロモーションの鉄板施策になっているTVCM。
あれだけ各社こぞってやってるのは何故か?それは効果があるからです。ブーストが難しい昨今、万単位、数十万単位で新規ユーザ獲得ができるのは、TVCMとストアからのフィーチャーくらい。タイトルが「行ける!」となった時、一気に駆け上がるためにCMは避けては通れない施策です。


そんなTVCMについて、これから初めて担当することになった方が知っておいたら損をしないような内容です。コンシューマー系のゲーム会社であれば、周りの諸先輩達がこのあたり教えてくれると思いますが、そうでない場合、いきなり何も知らないまま本番なんてこともあるでしょう。

そんな方に読んでいただきたいです。

で、まず最初に言っておきたいことがあります。

大前提:TVCM=マスプロモーションである

まず最初にこれ。
至極当たり前なんですが、凄く大事です。デジタルマーケと勘所が随分違うのです。
普段のインフィード系広告だったりはできるだけセグメントして欲しいユーザを取りに行くという作業ですが、大前提として相手にするのが「マス=大衆」であることに注意が必要です。
詳細に行きます。

■小さくやっても効果は薄い
TVというデバイスで、特定の期間に何回か接触(視聴)してこそ、頭に残りコンバージョンに至るし、それには相応の費用がかかります。
予算が1,000万、2,000万だったらCMなんぞやらずにTrueViewでもやった方がマシです。
クリエティブの検証用に特定のエリアだけでテストマーケとかはアリですが、獲得が目的だったらCMを小さくやっても効果は薄いです。
それよりもある程度の規模で実施した方が単純に費用対効果が高いです。
大量投下により印象に残り、話題が生まれる。そんなのを狙うべきです。

■CMはワンメッセージ
スポットCMであれば、わずか15秒。説明臭いのはダメです。
「ひっぱりハンティング」とか分かりやすいものじゃないと伝わりません。
相手にしているのはセグメントが切られてモチベーションが高いユーザではなく、不特定多数の「マス=大衆」なんです。
「このゲームはこんな魅力とこんな魅力ががあるから、是非遊んでね!」みたいなのはダメですね。

■ターゲティングは出来ない
タイムで買うとか、逆Lで買うとかである程度はターゲティングらしきことは出来ます。
・・・っが、やはりデジタル広告のような精緻なターゲティングは出来ません。
前述の通り、小さくやっても意味がないので欲しいユーザにだけ刺しに行くみたいなことは出来ません。清濁合わせ持つというか、欲しくないユーザも含有されると考えた方がいいでしょう。

■ARPUは絶対下がる
これも考えてみたら当たり前なんですが、意外と見落としがち。
今までは、ターゲティングしてROASをみて効率的に新規獲得してたはずですが、CMはマスに向けて配信しているので色々なモチベーションのユーザが大量に入ってきます。
当然、課金しないユーザも入るでしょう。
モンストのストアレビューは4.0を下回っていますが、つまりはそういうことです。
特に初めてCMを実施するタイトルはより一層この傾向が顕著になるはずです。
PLを組む立場にあるなら、この辺も盛り込む必要があります。

■デジタル広告の予算も潤沢にとっておく
CM時、デジタル広告の獲得効率は物凄く高くなります。
テレビで見て、WEBで見て、コンバージョン。異なるデバイスで接触することによって意識に叩き込まれるってことですね。かき入れどきです。
CMと相性のいい媒体としては、TrueView、Twitterあたり。
また、普段あんまりやらないと思いますがリスティングはCM期は鉄板です。
デジタル広告の予算は感覚的にですが通常時の2〜3倍、またはCM費用の1/3〜1/5位で見ていた方が良いでしょう。

■回数を重ねると効果は落ちる
これも当たり前ですが、何回もCMをやっていると同じ予算で取れる新規の量はどんどん下がっていきます。
初回CMの効果に気をよくして、2回目3回目とやると、とんでもないことになります。
PLにはそれも盛り込むべきでしょう。

■トンマナをがらっと変えるのはアリかも
「回数を重ねると効果は落ちる」に対するカウンターです。
ようはマスを相手にしているので、マスはCMの細かい内容なんてよく見てません。
であればいっそのこと別のゲームとして認識させてしまう、つまりクリエイティブのトンマナ、訴求をガラッと変えてしまうってのも手法としてアリです。

■目標設定は?
感覚値でしかないんですが、全国で放送した場合、かつ初回CMであれば1GRPあたりの獲得件数が250件を超えていれば佳作と言っていいと思います。
つまり、1,000GRPで25万DL、2,000GRPで50万DLくらい。
このときのCPIは600〜700円位だと思います。(CM期間中のデジタル広告の予算含む)
上記はミドル、コア以上のタイトルのイメージです。ツムツムとかニャンコ大戦争とかはまた違う(もっと安い)のかも。
このあと、CMの回数を重ねる毎にどんどん獲得効率が悪化して行く訳ですが、もし前回同様の数値を出せたらそれは戦略とクリエイティブの佳作ってことになります。
詳しくはAppAnnieで推測できる競合のDL数と、広告代理店が教えてくれる競合のGRPを比較してみてください。

■リサーチは手厚くやっとく
このタイミングはノウハウを貯めるチャンスです。数億も投資して、振り返ったときに良かったのか悪かったのかようわからん、という事態だけは避けたいものです。
CM前後で認知がアップするかとか、顧客満足度はどうなるとか。
テーマを決めて調査しましょう。
CM前は忙しくなるので後回しになりがちですが、やっておかないと後で後悔しがちです。

(ちなみに僕がやろうと思って出来なかったことが、CMとTrueViewの相乗効果の証明。
CMしかやらないエリア、TrueViewしかやらないエリア、両方やるエリア、両方やらないエリアのそれぞれの流入数。おそらく両方やるが正解なんでしょうけど。誰かやってみて証明して欲しいです)

■CMとデジタル広告、両方見る
会社によってはここが分業になっていることもあると思いますが、可能であれば両方を俯瞰的に見れる担当が居た方が期間中の効果は上がると思います。
施策を立体的に組み上げて行くイメージです。戦争で言うと、陸軍と海軍と空軍が別々に動くより統合作戦本部があった方が効果的に戦えるようなイメージです。(う〜ん、抽象的だな)

■EXTRA やりたい施策はCM中にやっちゃう
人間不思議なもので、普段は数十万の予算の使い方で紛糾する割に、数億の予算となると意外とザルになるものです(特に経営者)。
こういう時にこそ、温めていた施策、通したかった施策をねじ込んでしまいましょう。
CM期間中は、何やっても効果がよく見えるというのもあります。
中々数値的な効果が追いづらく、かつ上の理解がえられにくいような施策はこういう期間にねじ込んでしまいましょう。

・・・と、こんなところでしょうか。

最初にも書きましたが、とにかく「CM=マスプロモーション」ということです。
普段とは戦い方がガラッとかわるし、またデジタル広告との複合的、立体的な組み方が必要になってきます。
方向性としては最適化ではなく、最大化ってとこでしょうか。

細かいこと書き出すとアレコレ止まらないので今日はこの辺で。

TVCM基礎の基礎

もはや見ない日はないってくらいゲームのプロモーションの鉄板施策になっているTVCM。

あれだけ各社こぞってやってるのは何故か?それは効果があるからです。
ブーストが難しい昨今、万単位、数十万単位で新規ユーザ獲得ができるのは、TVCMとストアからのフィーチャーくらい。
タイトルが「行ける!」となった時、一気に駆け上がるためにCMは避けては通れない施策です。

そんなTVCMについて、このあと「TVCMの勘所」という記事を書く予定です。
それに先だって、独特の専門用語についていくつか解説したいと思います。
(このあとの本命の記事の内容を用語解説に割きたくないため、記事を分けました)

知っている人にとっては「んなもん、知ってるわ!」って内容ですので、読み飛ばしちゃってください。

■エリア
日本には放送エリアが32地区ある。
東(関東)、阪(関西)、名(名古屋・岐阜)、福(北部九州)・・・
生まれも育ちも親戚も関東民だとあまり知らないが(僕はそのくち)、
「関東」「関西」「九州」みたいな地方単位でエリアが異なる訳でも都道府県単位で異なる訳でもない。

■放送局
関東地区では、日テレ(NTV)、TBS(TBS)、フジ(CX)、テレ朝(EX)、テレ東(TX)がある。
上記をキー局と言い、そこからテレ東を抜くと4大ネットワークと言われる(テレ東はキー局だが地方の系列局が少ないため分けられる)。
他の地区でも上記キー局の系列局がある。
当前だが民放でないNHKにCMは流れない。
何故か知らないがNTV、CXなどで呼ぶのが一般的。

■GRP(Gross Rating Point)
延べ視聴率。例えば視聴率10%の番組に2本、15%の番組に1本CMが流れた場合、10×2+15×1=35GRPとなる。

■Aタイム
視聴率が高く、費用が高い時間帯。
具体的には平日19〜23時、休日18〜23時。
Aタイム本数など、AタイムにどれだけCMが入っているかが一つの指標になる。

■M1・F1など
男女、世代の区分。
M = Male(男性)、F = Female(女性)で、
M1層 = 男性20〜34歳
M2層 = 男性35〜49歳
M3層 = 男性50歳〜
F1層 = 女性20〜34歳
F2層 = 女性35歳〜49歳
F3層 = 男性50歳〜
と分けられる。

■ターゲット含有率
狙っているターゲットがどれだけ含まれているかの指標。
例えばターゲットがM1、M2の場合、視聴率が高い番組でも昼ドラとかはターゲット含有率が低い。
GRPは単純に量の指標なので、そこでターゲットの含有率を掛け合わせ、狙った層にどれだけ接触するかの指標とする。

■絵柄
CMを放送する曜日と時間帯を表した言葉。
全日・コの字・逆Lなどがあり、ターゲットの行動に合わせて選択する。
例えば、M1がターゲットであれば、コの字や逆Lが効率が良いが、全日に比べると費用が高い。
全日で配信するがなるべくコの字に寄せるなどのオーダーも可能。



■スポット・タイム
CMの買い方には「スポット」と「タイム」と、大きく二つある。
スポットは番組を指定しないで買い、タイムは番組で指定して買う。
「この番組は◯◯の提供でお送りいたします」がタイム。
タイムの方が、ターゲットが見ていそうな枠を指名買いできるが、当然スポットよりも値段が高く、また番組のスポンサーになるため、期間も1ヶ月〜や半年となるため、柔軟性は低い。

■プリント代
TVCMの費用は大まかに、波代(メディア、要は枠代)と、クリエイティブ制作費、あともう一つプリント代というものがかかる。
放送局ごとに物理的なクリエイティブのファイルを渡さなければいけないが、その物理的なファイルの費用で、意外と高い。
全国32地区、全放送局系列に流すと、数百万円位になる。
ちなみに、これでも昔に比べるとだいぶ安くなったらしい。

■CM制作プロダクション
CMを打とうとすると、ほぼほぼ電通・博報堂・ADKのいずれかに頼むことになる。
CMの制作も上記総合代理店がやっているのかと思いきや、CM制作プロダクションが別に存在していて、基本はそこが作っている。東北新社、TYOなど。
なので代理店のコンペを掛けた時、CMコンテは同じ会社だったなんてこともある(勿論部署は違うが)。


こんな感じです。次回は本題の「CM打つ時にどんなところを気にすればいいの?」ということを書きたいと思います。

2017年2月17日金曜日

ブログ始めます 〜 プロモーションは代理店に丸投げ!?

ここ半年くらい「情報発信したいな、ブログ書きたいな」と常々思っていました。

理由はざっとこんな感じ↓

・情報を集めたい
→「情報発信すると情報が集まってくる」とは良く言われてるが、そんな気がする
・読書癖をつけたい
→読書癖をつけたいんですが中々無精者なので、ブログをやることでネタに困り、強制的に読書しだすのではないか?と自分を追い込む
・文章力を強化したい
→ここ数年パワポやメールに書く文章くらいしか書いてなく、いざプレス文を書いたりする時に、ストーリーだった文章にするのが相当下手になっているのを自覚している

そんなこともあり、一年発起してコーポレートサイトに記事(広告によるユーザ新規獲得の限界)を載せてみました。

結果、意外と賛否様々反応いただけて、気を良くしてよっしゃどんどん書いて行こうと意気込んでいたんですが、これには一つ問題があり、中々二回目の記事投稿にとりかかれませんでした。

というのも、コーポレートサイトへの掲載となると、

・んなもん知ってるわ!みたいな業界の常識っぽいことは書きずらい→ネタ枯渇
・本業から遠いことは書きずらい→ネタ枯渇
・仮説レベルのことは書きずらい→ネタ枯渇

と、まぁ当たり前ですが色々と制限がかかる訳です。

そんな訳で、今回の情報発信の目的からすると発信する総量が必要なので、今後の情報発信は改めて個人ブログにて行うことにしたのです。

っと、決意表明だけで第一回を終えてしまうと、読んでくれた方の継続率が低くなりそうなので、ネタ一本ちゃんと書きます。

プロモーションは代理店に丸投げ!?

前回の記事で、「スマホゲームのマーケティングは新規ユーザ向けのプロモーションだけでなく、CRMやリサーチなど色々ある!」というような事を書きました。

これはプロモーションの必要がなくなったということではなく、やることがアドオンで乗ってきたのでそっちも大事にしようね、ということが言いたい訳です。

しかし、ゲーム会社のマーケターの皆さんはこう思うのではないでしょうか?
「それは解ってるけど、人手が足りないからCPIとROASで追いやすい新規獲得に寄ってしまう。」

これは当然です。出せば売れる時代はとうに過ぎ去り、前作でヒットを出せた大手や、名プロデューサーでも次回作が当たるとは限りません。
こんな熾烈な環境です。開発段階ではコストセンターでしかないマーケターはどうしても最小人数になりがちです。

では、どうしたら良いのか?プロモーション部分はまるっと広告代理店に一社独占で丸投げしてしまい、空いた時間で他のことやればいいのではないだろうかと思うのです。

何しろやることが多い訳ですから、もはやコモディティ化しつつある新規獲得については丸っとお任せしてしまい、ゲーム内のより深い施策、新しい施策ににもっと頭を使おうという趣旨です。
結果そうなってる会社も多いと思います。

身軽になるために代理店にお任せするにあたり、これは悪手だろうと常々思っていることがあります。
それは複数代理店を使うことと代理店マージンを値切りすぎることです。
(「それお前が言うの?」と言われそうですが、本心です)

まず、複数代理店を使うことについて。
これを行うのは代理店により得意不得意があること、また代理店同士で競わせることを狙ってのことだと思いますが、下記のような弊害があります。

・単純に窓口が増えて手間が増える
・(大手専業代理店前提)得意不得意は確かにあるが、もはやそれほど差があるとは思えない
 ブーストの重要度低下→リワードメディアを持ってる必要がない
 インフィード系メニューの隆盛→メディアのロジックが賢いのでキャンペーン設計さえミスらなければ運用でそんなに差がでない
・得意不得意で担当分けるメリットよりメディアのアロケーションがしずらくなるデメリットの方が大きそう
・競争をあおるために一社当たりの予算を分散するより、一社あたりの予算を大きくして上顧客になった方が良いのでは?
1,000万使ってくれるところと500万しか使ってくれないところと社内でどちらを優先するのかという話

また、代理店のマージンを調整するのもビジネスなのであっていいですが、あまり本質的ではない気がします。
(「こんなスペシャル調整できちゃいました!」と言いたいあまりここ頑張っちゃう人いますが)

予算1,200万マージン20%で代理店費用200万円のところ、5%削って代理店費用150万にしたとします。浮いた50万分出稿したとして、売上全体はいくら上がるでしょうか?
それよりは、クリエイティブの量や質を担保する座組みにするなどの方が売上に対する寄与という意味では本質的な気がします。

代理店と仲良しこよしになろうね、ということではなく、まず総論として、マーケティングの中にプロモーションがあるのであって、そのプロモーションの中で部分最適にこだわるあまり、全体最適を損なっていることがないだろうか?ということを提起したい訳です。現場からは以上です。

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ちなみに上記は売上ランク10位〜100位程度のタイトルを保有しているゲーム会社のありかたを想定しています。それ以上のランクであったり、または複数本のヒットタイトルを保有しているゲーム会社であれば、予算と人員が豊富で、そもそも代理店に頼ったりしなくても良いのかもしれません。